インドの首都デリーから南西に向かって約500kmの地点、広大な砂漠の中の乾燥地帯です。
ソジャットには、ヘナ畑が約25万ヘクタール広がり年間20000トン以上出荷しています。
現在日本へ輸出されるヘナは、ここで栽培されたものが大半です。
■ヘナの収穫期は年に二回
ヘナは3月と9月の年に二度採取されますが、インドで最も暑い5月から7月を過ごしたヘナの発色がとても良いとされています。
採取は根元を鎌みたいな物でバッサリと切り落とし、2日間乾燥させます。
乾燥後は枝を振れば乾燥した葉だけが落ちますが、この場合枝も一緒に落ちてしまうことがあります。
インドも現在は機械化が進んでおり、機械で枝と葉をより分け葉のみを袋詰めします。
これをインドのデリーにあるヘナ市場へ送られオークションによる取引が行われます。
ソジャットの市場で買い付けたデリー郊外に集中しているヘナ製造元は自社工場にてパウダー化します。
■インドのヘナ収穫地と国営市場
ソジャットのヘナはどれもが「有機農産物」で、すべての農場が同じです。
農場から出荷されるヘナの品質は栽培地域により多少違いはあるものの品質はほぼ同じです。
ソジャットの市場では大きく6段階のクラス分けをしていますが、他地域の安価なヘナをブレンドして、無制限にクラス分けして販売されているのも事実です。
また有機栽培、無農薬は当たり前、販売側がヘナの価値を高めるため、色々『うたい文句』を述べています。
「当社のヘナは若葉だけを使った高品質ヘナ」「オーガニック栽培の安心ヘナ」など・・・。
実際、ヘナはマーケットのオークションで売買、政府下で管理されて、農家との直接取引はありません
ソジャットの工場では乾燥したヘナの葉をパウダー化して出荷するケースもあります。
乾燥したヘナの葉は、更に不純物を取り除くローリングマシーンに入れて、混入した枝や種を出します。その後にグラインダーにかけてパウダーを製造します。
専属工場で製造しているヘナは品質安定性も良いですが、農場にてパウダー化されたものは品質は良くないので、仕入れの際には気を付けなくてはなりません。
デリー郊外には多くのヘナ工場があります。その大半は、日本で禁止されているジアミン等が入っているケミカル成分入りヘナを世界各地へ輸出販売。
また鮮やかなオレンジ色に発色させる為にピクラミン酸を混入させているもの。
また塩基物質やHC染料を入れて着色させるヘナなどさまざまな化学的成分を含有させています。
つまり純粋に天然ヘナやハーブパウダーを製造している企業を探すことは困難ですが、唯一国際基準のISO9001と2000を取得した優良工場であることが安心の証です。
同一地域で栽培されるヘナの品質は農場ではなく、買い付けたバイヤーがどのように加工するかで決まります。加工で最も大事なのはパウダーの粒子の大きさです。
粒子が荒いと当然髪の毛のタンパク質に付きにくく、細かすぎても発色に問題がありました。
繰り返しのテストによって、最適の粒子サイズがあります。パウダー化されたものは、乾燥機にかけられ、完全に水分を蒸発させます。
雨季に入ると、空気中の水分を吸ってしまうので、常にドライヤーで乾燥状態を維持させています。
ナチュラルヘナ以外の他のハーブパウダーとのブレンドヘナの場合は、次の工程のミキサーによって、ミックスされます。
最後に大事なのは、パッキング工程です。パッキングの際に空気が入ると空気中の水分を含み、酸化が速く進むので、細心の注意を払い空気を抜いています。
パッキング後は、ビニールを二重にすることによって、外気と遮断しています。
パッキング工程は機械化されていないため、人の手によって行われているのが現状です。
そのため完全な真空状態は作ることはできませんが、極めてていねいに空気を抜く必要があります
インディゴは別名WASMA、BASMAとも呼ばれています。
南インドでは通年収穫され 主に医療品の原料として使われますが、近年ヘナの普及に伴い染色用としての需要が増えてきました。
高品質なインディゴパウダーの製造の鍵は、急速乾燥の技 術に関わっています。
南インドで採取されたインディゴは、農場にて灼熱の太陽の下で天日干しされ、工場まで空輸されます。
そして、グラインデングも雨天で は行わず、晴れた乾燥した日に行うことによって、水分が含まれることを防止します。
こうして出来たインディゴは鮮やかな紫色に発色します。ヘナのオレンジ 色とインディゴの紫色の組み合わせによって、さまざまな茶色を作り出すことができます。
原料が国内に到着しますと、化粧品製造会社の最終製造ラインに送られます。
日本では、ヘナを化粧品として販売することが認められていますが、あらかじめ化粧品製造免許を持った化粧品会社が、厚生労働省宛に事前の届出をされているものでなくては製造できません。
インドで半製品として輸入したパウダーは国内の化粧品会社において更に粒子サイズを均一化する必要がある場合、微細なメッシュを通してフルイにかけます。
またパウダーの色・匂いと目視検査によって、不良品を除去。その後パッキング、ラベリングを行い完成品へ仕上げていきます。
現在国内に輸入されるヘナの場合、発色を良くしたり、特殊な色を作り出すために化学物質を混入させるケースが大変多く、また化粧品登録せずに不法に販売しているヘナが氾濫しています。
これら化学物質は、医薬部外品扱いの成分の場合が多く、規定値を超える場合は、皮膚炎や内臓疾患を引き起こす大変危険なものです。
また発がん性が疑われる物質も大変多く、化粧品として厚生労働省への届出が出来ないこれら物質を含有したヘナを天然100%とうたってしてインターネット上で販売している企業や個人事業者が増えています。
したがって各種トラブルも多く最近、国民生活センターへ訴えるケースも増加。
それによって、いくつかの輸入会社や販売会社も取り扱い中止命令を受けるようになっています。
化粧品ヘナは全成分表示が義務付けられ、輸入および製造に関われるのは、化粧品製造免許を有する企業のみとなっています。
また化粧品登録品は、製造ロット番号の印字も義務付けられ、問題が発生した場合に、その販売・製造ルートと製造時期・採取時期までの過去の製造履歴を追跡できるようになっています。
輸入した半完成品の各種パウダーを製品化するために国内の化粧品メーカーで品質検査を行います。
この検査でも、更に1%~2%の不良品を発見することができます。
また、一切の化学成分が含まれていないことを証明する為に、国内の第三者研究機関によって成分分析も行っています。
ヘナに含まれる不純物の割合は、製造工程によって異なります。
不純物の種類としては塵・ほこり、ヘナの枝部分、グラインダーの粉および砂が主で、インドの国営市場に届いた時点では不純物割合は約8%~10%。
インドのパウダー製造工場では限りなくゼロに近づけて、純度アップを行っています。
また、アルミパウチは国産の食品用として使われている品質基準の高いジッパー付を採用して、安全性に配慮した仕様に仕上げています。